本田健さんのセミナーで質問させていただく

機会を頂戴しました。

その時の感動をエッセイにまとめました。

 

私は仲間を見つけた、
~あなたを見ている人は必ずいる、の巻。

ドラクエで一番大事なのは、仲間じゃないだろうか。
自分ひとりで、大ボスなど倒せるはずがないのだから。
私は仲間を見つける。

正確には、仲間はいることを思い出した、が
正しい。

 

最近、私は体調を崩してしまった。
環境問題について大学院で研究をしているが、
一旦、それも忘れ、リフレッシュして休憩しようと思った。

「私がやっていることは、きっと意味がある」と
みんな思いたいものだと思う。

「意味がない」ことだとは思っていないが、
あまりの問題の大きさに、
「私がこんなことをして、何になるんだろうか」

という思いが、私の頭によぎっていた。
疲れていた。

 

 

私は誰かに褒められたくてやっているのだろうか。
いや、何かに突き動かされるように、
「やむにやまれぬ」思いで始めた、のは事実だ。

でも、
「道があまりに遠く」疲れたんだと思う。

ある調査で、社員が突然辞めてしまう理由に
「自分のやっていたことは、無意味だと感じた時」
というものがあった。

ちょっと分かる気がした。

「徒労感」「無力感」が徐々に私の心の中に
侵入して、私の心が暗くなっていた。

 

 

何も知ろうとせず、考えず、適当に生きている人も
いるじゃん。
楽しそうじゃん。
イージーに生きてんじゃん。

なのに、私は、何をやっているのだろうか。

そんな私は、一つの答えを頂いた。
私は泣いていた。

 

 

本田健さんのセミナーで、健さんは、環境問題に
ついて、話をしてくれた。
仲間と真剣に話していること、

「誰かが一人本気になると、
 そのエネルギーが周りに伝播する」こと。

質問タイムで、質問をすることにした。
たくさんの人が手を挙げた。

私に当てて欲しい、と心から祈った。
なんと、私が当てられた。

 

 

「私は、環境問題について、研究をしています。
でも、あまりの状況のヤバさと、世間のギャップに圧倒されています。

私一人がやってもしょうがないんじゃないか、って
位、問題は大き過ぎるし、

でも、世間はなかなか動かない。

私は時々、ブログやfacebookで環境問題を発信することにしています。

でも、恐怖を煽るようなメッセージも良くないし、どんな風に発信したらいいでしょうか。

人はどうやったら動くんでしょうか。」

 

 

健さんは、すぐに、私の状況が分かったようだ。

タイタニックのような比喩を言ってくれた。

「あなたは、大型客船の一番上で、前が見えている見張り。
 危ないってことが分かって、
 みんなに危険を知らせたいんだ。

 でも、みんな、まだ船上でパーティしてるかんじでしょう?」

健さんは続ける。

「山火事が起きているようなもんだよね。
 それを消そうと、【一人で、ひしゃくで水をかけて】
 消火活動しているような気持ちなんじゃないですか?

 どうですか?」

それを聞いて、私は泣いた。
そうです、無力感と、徒労感があるんです、と答える。

健さんは続けた。
「ひしゃくで一人で水をかけてたらね、
 後ろで見ている人が、
 僕も彼女を手伝おうって、水を一緒にかけてくれるんだよ」

「こんな彼女を見て、彼女を応援したいと思った人は
 拍手してください」 と聴衆に聞くと、

今までいただいたことがない、
コンサートを終えたピアニストのような
大きな拍手をもらった。

 

 

胸が熱くなった。
私は泣いていた。

私は、ただ、自分が正しいと思うことを続ければいいんだと思う。
疲れたら、人に助けを求めればいいんだ。

「集合無意識」というものがあるらしい。
人は、無意識で繋がっているそうだ。

私が一人でも、本気で行動すると、
そのエネルギーは誰かに伝播する。

私はどうやら「先発隊」としてのお役目があるんだろう。
震災支援の時も、そうだった。

先発隊に孤独はつきもの、なのだ。

でも、それを見ててくれる人は必ずいることを
体感させてもらった。